焦りとは、不思議な思考回路かな。

  • 2008/08/19(火) 23:09:00

 盆前に、仕事を辞める旨を派遣会社に伝えたのだが、まだ派遣先に連絡が行っておらず、一人で気まずい思いをしている。
所長はまだ知らないのだろうか、それとも知っているのだろうか、それでいて何も言って来ないのだろうか、などとそわそわ過ごし、我慢できずに夕方派遣会社の担当営業にメールでどうなっているのか聞いてみたが、まだ伝えられていなかった。あと2,3日待ってくれと言う。
 
 私がこれほどそわそわするには理由がある。
私が仕事を始めてすぐ、社員旅行の話が出た。なんと派遣社員の私もつれていってくれると言う。行き先はサイパン。やった!ラッキー!なんてツイているのか!
しかしながら、当初の予定では9月頃に行く予定だったのだが最近になって、10月30日〜11月3日に変更になってしまったのだ。
私はアイルランド行きが決定しているため、仕事を10月いっぱいで辞めるつもりでいる。せめて10月半ばに旅行であれば、ずうずうしく参加させて頂こうと思ったが、11月1日になった時点で関係者でなくなるのに皆とサイパンにいるのはさすがに申し訳ない。
なので辞退させてもらうつもりでいたのだが、派遣会社が連絡をしてくれないので予定がどんどん組まれていくのをそわそわしながら見ているという訳である。

 派遣社員は、必ず派遣会社を通して派遣先との様々な交渉をすると決まっている。なにもバカ正直に従う事はないのだが、言えない。
特に何の役割も果たしていない派遣社員まで連れて行ってくれようと、いろいろ計画してくれている所長の笑顔を見ていると、とても言えない。
仕事を辞める事には罪悪感はない。あるわけない。
仕事はほとんど何もしていないのだ。
これといって、困る人もいない。
いや、サイパンも別に私が行かない事で悲しむ人がいるわけではない。
ただ、とぼけた所長の何も知らない笑顔が悲しいのだ。

 以前、所長の出張精算用紙に「○月○日、電車代 尼崎〜名古屋(インド経由)」と書いてあった事がある。
私は大規模な間違いに驚きつつ指摘をしたのだが、所長は言った。「いや、ナンバ。」
何のことはない、字が汚くて大阪の「ナンバ」がインドに見えただけだったのだ。
今日の午後、何かの用紙を見ながら所長がブツブツ独り言を言っていた。
「ホ○ダナンバって何や、ホ○ダナンバって何や」
顧客の某企業ホ○ダさんに、ナンバ支店はない。(少なくともうちは取引していない)
「・・・あ、インドか。」
どうやら自分の書いた字を自分で読み間違えたようだ。

このとぼけた所長の笑顔を見ていると、なぜだか私が辞める事が可哀想な気持ちになるのだ。どういう思考回路ゆえにそう思うのかは私にもわからない。

 一体私は、何について悩んでいるのだろう。

静寂と、向き合う時こそ、真の姿。

  • 2008/08/14(木) 17:15:53

 本日からお盆休みである。
土日とあわせてもたったの4日なので大半の方から見ると少ないという事になるだろうか。
私にとってはありがたい。たった4日でも休みがある事がありがたいのではない。超大型連休でなかった事がありがたいのだ。
私は派遣社員なので、休めば休む程給料が減る。
アイルランドに向けて、資金確保は今のところギリギリの見通しである。
3日休むだけでも大打撃となる。

 顧客が大型連休に入る為、私の事務所はいつにも増して、何倍も暇になった。
もはや電話が一日一本なるかならないか、極限の暇さである。
正社員の事務員さんは有給にてがっちり休んでおり、連休中に工事を組んだ客先現場に男性方は朝から晩までつめている。
事務所にいるのは私と、所長だけだ。
静かな事務所に、私と所長だけが、静かに座っている。向かい合わせに。
二人の間にはパソコンがあるので姿こそ見えないが、お互いの気配をビリビリ感じる。
二人の机の上には何も無い。
事務所に聞こえる音は、ただマウスをクリックする音のみ。
タイプする音はどちらからも聞こえない。タイプするものはない。
普段インターネットを業務と関係ないものに使用する事は出来ない。当たり前の事ではある。
以前、エロサイトを見ていた社員が問題になったらしく、それ以来監視が厳しいと正社員の事務員さんが教えてくれた。
私は業務に差し障りの無いサイトを探しては閲覧した。
興味のない顧客のサイトで新作の細部を確認し、TOEICの練習問題が出来るサイトで驚くほど間違いを繰り返し、それでも真面目な顔を忘れなかった。
 すると、所長の方から何やら音が聞こえる。携帯だろうか?
・・・いや、これは携帯というよりはパソコンで音楽を聴いている様子だ。
私はクリック運動を続けながら耳に意識を集中した。
このメロディー・・・、この心温まる今流行りのメロディーは・・・・・・、ポニョ!!!!
所長は音量を最小限にしてポニョを聴いている。
これはしかし、ある意味とてつもなく大きな自己アピールではないだろうか。
どれほど音量を下げても所長に聞こえる音は私にも聞こえる。
それを知っていながらあえて、音楽を流すのだ。
私は所長の「これ、どう?」という心の声をキャッチした。
今しかない。
「所長、ポニョですか?」私は沈黙を破った。
「いや、えが」
・・・・何?心の声をキャッチしたものの本物の声が掴めない。
「えがしら、えがしら」所長は2回言った。
「江頭?」2時50分?何を言っているのだろう、所長は。
所長はボリュームを上げた。

♪ガーペーッペーのエーガ、エーガ、エガ酒屋の子〜、くさい海から、やぁ〜てきた〜♪

なるほど、間違いなく「えが」だ。
さらに所長に促され、画面を覗くと江頭の過去映像がうまい具合に歌に合わせてMIXされていた。
さすがに、所長クラスはやる事がちがう。
てっきり音楽を聴いているのみだと思っていたら動画を見ていたのだ。
さらに所長は、「戻る」ボタンでさっきまで見ていたものを色々見せてくれた。
さっきまでは一応、画像のみで我慢していたようだ。オモシロ画像を随分みている。
しかし所長は「戻り」過ぎた。
グラビア水着画像まで戻ってしまった。
「・・・あ、この人知っとる?川村・・・?」
「いいえ、最近の若い人はよく知りませんので・・・」
私は席に戻った。
事務所は、また静かになった。

その日、なぜか私は定時の30分前に帰らせてもらえた。


玉名は、米分け銀橋、なんじゃそれ。

  • 2008/08/11(月) 22:35:35


 昨日は津の地元、津市の花火大会であった。
ここ数年、人ごみを掻き分けて真ん中まで見に行く元気がなかったのだが、
今年は数年ぶりに浴衣を着て張り切って真ん中で見ようという話になり、
私は母の浴衣を引っ張り出した。
母が嫁入りの時におばあちゃんが作って持たせた浴衣が30年眠っていたのだが、
さすがに今のデザインとは随分違うし、母のサイズに合わせてこしらえた為、
丈がギリギリであったのだが、夜になれば誰もわかるまい、という事で無理やり着てみると、やはり日本人の心をわさわさと揺さぶる何かがある。
私は張りきって、髪の毛をまとめ、扇子を持って出かけた。

 最後に花火を見に来た時にはこんなにあったろうかという程屋台が並び、
まだ日も明るいうちから普段どこに潜んでいるのか、大量の若者がいる。
そうだ、若者よ、熱い夏の始まりだ。存分に色目を使え。
私はそんな年ではないのでてんこ盛りのフライドチキンを片手に人ごみの中を歩いた。
外国人の方も結構いらっしゃった。
アジア系の女性が背中に漢字で「血族」と刺青を入れておられた。
字体は毛筆というより、ワープロで年賀状を作ったようなスタイルだ。
そうだ、家族連れよ、花火は「血族」だ。存分に思い出を作れ。
私はまだ家族はないのでフライドチキンに食らいつき、肉汁を浴衣にたらした。

 しかし、花火というのはそもそもどこが発祥なのだろう。日本の夏のイメージがとても強いが、カナダでも見た事は見た。
ただ、カナダでは花火は普通の花火がほんの20分ばかし上がるだけで、
連発もドラえもんも、ましてや海上花火もない。
当然花火一発一発に名前を付けることもない。
花火の名前、玉名は製作者がつけるのだろうか、何ともしぶい演歌のような題名が一際耳を引いた。
威勢の良い花火師が、テカテカと汗にじませて花火を打ち上げる姿が目に浮かぶ、ふんどしで。間違えているだろうがイメージを掻き立てる名前を付けるセンスもまた、花火アートだ。

 花火の余韻は帰り道に切ないものである。車が通れるところまで大行列でのろのろ歩いて行くのだが、出会いを逃すまいと立ち止まる若者はきょろきょろし、疲れて眠そうな子供はお父さんに抱っこされうとうとしている。
 着崩れた浴衣で扇子をバタバタさせながら小股歩きをする私達は後ろからみると演歌界の大御所のようであったという。

2008、夏・・・・・素晴らしい夜をありがとう、花火。ありがとう、津。



矛盾とは、人生そのもの、真理なり。

  • 2008/08/07(木) 23:12:46

 アイルランドに行くと決め、既に行き道のチケットも手配した。
4月から働いている派遣先に辞める事を言わねばならない。
派遣は3ヶ月更新で、この間7月から9月までの分を更新したので、
出来れば1ヶ月分だけ更新して10月いっぱい働きたいのだが勝手を言えない立場であると同時に、そもそも驚くほど働いていない。
とても、受け入れてもらえるとは思えない。
この4ヶ月以上、私は困ったことがない。
忙しいと思ったことがない。
唯一の残業はパソコンを新品に取り替えてもらうのをただ待っていた事だった。
英語を使う仕事がしたいと、5ヶ月も探して、見つけたのがこの仕事だ。
英語を使う電話は2回だけだった。
1回は海外から掛かってきて、うちの会社のパキスタン支店の電話番号を教えてくれという事だった。
パキスタンに支店があるかどうかもわからないので東京ヘッドオフィスの内線リストを見て「アンダーソン」さんという会った事もない、何をしているかもわからない人の番号を(英語を話しそうだったので)教えた。
もう1回は所長がタイに出張する為に現地のホテルを取る為、電話を掛けた。
日本人の女性が働いているので繋いでもらえと所長が言ったので
緊張もせずに電話をかけたのだが、甘かった。
どぎついアクセントのある女性が電話にでたのだ。
とりあえず、日本語の話せる方に繋いでくださいとお願いをした。
「テレッフォン、ビーシー!」すし屋のような威勢の言い返事。
どぎついアクセントは気を抜くとテレッフォンさえ聞き取れない。
しかし、何だ、ビーシーって。
アルファベットでBCなのか?
「パードゥン?」私は聞き返した。
「テレッフォン、ビーシー!!!!!」すし屋の大将のように、いやむしろ
私に対して「お前英語わかんねえのか」と言いたげな口調である。
BCとは何だ、BCという所に電話しろと言われているのか。
私は彼女の発音を的確に真似てもう一度「テレッフォン、ビーシー?(って何?の意を込めて)」と聞き返した。
「イエースッ!!!!!」
・・・彼女の中で問題が解決してしまった。
しょうがないので頑張って彼女に予約をお願いしていたら、突然保留にされてしまった。
しばらく待っていると、日本人の女性が電話に出た。
私としてはもう話す事はなかったのだがもう一度人数や宿泊日数などを伝え、
電話を切った。
以上の2回が私の英語業務(メイン)であった。
辞めると言ったところで、止められることはまずあるまい。
それでもやはり言いにくいものだ。
なぜこんなに言いにくいのか考えていたが、要するに他人の目が気になるという事だ。
これからアイルランドに行くのに日本で他人の目を気にしていては良くない。
正々堂々と、辞めると言おうではないか。
潔く、誠意を持って、真正面から、率直に辞めると言おうではないか!

 たかが4ヶ月しか働いていない普通の派遣社員がこんな事を考えていると知ったら、社員の皆さんはどう思う事だろう。


 ちなみに「テレッフォン・ビーシー」についてあれからしばらく考えていたのだが、私の予想では「Telephone Busy(テレフォン、ビジー)」と言っていたのではないだろうか。
つまり日本人女性は電話中だった、という事だ。
皆様、タイに電話を掛ける時はご用心、だ。

恥ずかしや、重症患者の、顔ぶりで。

  • 2008/08/02(土) 11:33:52

 先週末、体調不良の為病院にかけこんだ。
偏頭痛と腰痛となぜか不整脈に見舞われたのだ。
不整脈といってもド素人が不整脈と判断しただけの事で実際はなんだったのか
今でもわからないが、横隔膜の痙攣かな?っていう程度のドキーンが一発あり、
その後で全力疾走したみたいな動悸がしたり、止まったり、またしたり、
そして冷や汗が出てきて貧血の時のような症状になるというものだった。

それで今日、血液検査の結果を聞きに言った。

先生はすごく優しくていっつもにこにこしている。
「血液を入念に調べてみましたよ、これがその数値ですけど」
「ハイ」
「何か問題を抱えている様子はまったく見受けられませんでしたよ。」
という事だった。ありがたい。
どうやら何らかの理由による一過性のものだった様子。
先生はかなり細かく血液検査をしてくれた様子で、
今回の血液検査と数ヶ月前の健康診断の時の分も見てくれたのだそうだ。

その結果、「本当に」(って先生が連発する)普通だそうだ。
あまりに先生が「本当に」を連発するので、不整脈以外でも
痩せろとか何かないのかと思って、
「気をつける事があるとしたらどの部分でしょうか?」と聞いたら
「いや、本当に・・・・・・普通です。」 とおっしゃった。

 私の内臓はしこたま元気であった。本当に。